これまで色々な家計簿アプリをiPhoneにインストールして試してきました。それこそ無料のものから有料のものまで…
でも最近ようやく気付いたことがひとつあります。「支付宝(Alipay)」アプリはある意味「最も簡単」な家計簿アプリなのではないかと。
そう思う理由を幾つか述べてみたいと思います。
あくまでも中国限定のはなしです^^;
支付宝アプリ ≒ 家計簿アプリ
手動で入力する必要がない
これは大きい。
日本だと、レシートを読み取って自動で入力したり、紐付いているクレジットカードや銀行口座と連動したりするアプリが流行りのようですが、それらの日本製アプリは、おそらくここ中国では機能しないでしょう。
以前「Zaim」アプリを使っていたこともありますが、確かこちらのレシートを読み取ることはできなかったので手動で入力していた記憶があります。まぁ通貨がRMBなので当然といえば当然なのですが…
「支付宝」であれば、アプリからの支払いは全て履歴として残りますので、いちいち支払いの度に手入力する必要はありません。
支出の履歴を見るだけであれば「首页」>「记账本」を開けばOK。さらに「类别报表」タブを選択すると…
支出のみをザックリと管理したい人にとって、「支付宝」アプリは何の手間をかけることもなく記録を残せるという点で非常に「簡単」と言えます。
仕分けも自動
家計簿アプリで面倒な別の点に分類があります。
特に手動で入力する家計簿アプリの中には、かなり細かく仕分けをしないといけないものもあり、そのうち面倒くさくなってくるのが関の山です(個人の見解)。
例えば、わたしが最近まで使っていた「iXpenseIt」という家計簿アプリは、ベンダー / カテゴリー>サブカテゴリー等といったように分類しなければいけませんでした。
一度支払いの記録をしたら、次回からはある程度自動で仕分けてくれるのですが、新しい支払いはいちいち仕分けをしなければいけなくて、結局挫折してしまいました 0rz
「支付宝」なら消費金額はもちろん、大まかな仕分けもしてくれるんです。
表示の仕方ですが、先ほどのランキングとは別で「我的」から「账单」を選択、下部にある「概览」をタップします。するとグラフが表示されるのでさらに「查看详情」を選択します。
- 住房缴费(光熱費など)
- 其他消费(その他)
- 生活日用(生活雑貨など)
- 交通出行(旅行・交通費など)
- 文教娱乐(教育・娯楽費など)
- 饮食(飲食費など)
- 通讯物流(通信费など)
「其他支出(その他の支出)」というのは、個人アカウント間での支出の記録です。
ちなみに2017年6月が、現時点(2018年10月)で遡れる限界でした。つまり16ヶ月以内の情報までしか閲覧できないということになりますので注意が必要です。
また「趋势」タブを選択すると、棒グラフで支出の動向を見ることもできます。
支払いから管理までを完結
このように、全ての支払いを「支付宝」にまとめれば、アプリ一つで支払いから管理までを完結できます。普通の家計簿アプリでは絶対にできない芸当です。
上記の理由もあって、最近わたしは「微信(WeChat)」での支払いはほとんど使っていません。もちろんApple Payもほとんど使いません(笑)
振り返ってみると、ここ何年かはほぼ全ての支払いがQRコード決済です。残念ながら家賃の支払い(実はこれが日常では最大の支払い額!)は未だに現金払いなのですが、「支付宝」や「微信」で大家さんもしくは不動産屋さんに家賃を支払っているという上海住みの日本人の方がむしろ多いのではないでしょうか?
余談ですが、うちも大家さんに「支付宝」で支払いさせてくれとお願いしたことがあるのですが、房东は昔ながらの上海人でハイテクには疎いらしく拒否された経緯があります(もっとも最近の中国人のお年寄りはスマホをバリバリ使いこなしている人の方が多いですが…)。
何れにしても、お金の流れを一つのアプリで完結できるというのは大きな魅力です。
「支付宝」アプリの欠点
これは家計簿アプリとして考えると致命的ではあるのですが、支付宝には過去の記録をエクスポートする機能がありません。。。
一定期間しか履歴を遡れないとしても、データをエクスポートさえできれば問題ないのですが、ここが非常に惜しいところです。
考えてみると、「支付宝」側は “消費” を促進したい訳ですから、家計簿機能を充実させて “節約” に目を向けさせることはおそらくないと思われます。したがって、「支付宝」アプリを完全な家計簿アプリに置き換えることは今後も難しいでしょう。
「支付宝」アプリで支出を可視化
とは言え、比較的最近の支出動向は十分把握できるので、毎月のグラフをスクリーンショットで残しておくというのも一つの手ではないでしょうか。
まだ「支付宝」アプリでグラフを見たことがない人は、過去に自分がどれくらい消費しているかをぜひチェックしてみてください。意外と少ないか、それとも思ったより多く消費しているか分かると思います。
今後のキャッシュレス社会に望むこと
ここ1、2年、日本でもQRコード決済の話題が盛んのようですが、現地でQRコード決済を体験してきた者として個人的に望むのは、プラットフォームの統一化、そして家計簿機能の統合です。
キャッシュレスは使い過ぎが怖い、なんてよく言われていますが、もし家計簿機能も併せ持っていれば、その辺りの不安を幾らかでも軽減できるのではないでしょうか?
加えて中国では、「支付宝」と「微信」の2大プラットフォームがキャッシュレス市場をほぼ独占しています。これら二つのアプリがスマホに入っていれば、大抵の支払いは問題ありません。
利便性があってこそのキャッシュレスだと思うので、日本でもプラットフォームの統一化にはぜひ期待したいところです。
日本がフィンテック大国として発展できるかどうか、引き続きウォッチしていきたいと思います。
以上、話題が逸れましたが家計簿としての「支付宝」アプリという話題でした。